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ノウハウやハウツーだけでなく、自らの清潔感に関する想いや考え方を残していくためのコラムです。第2回目はデール・カーネギーの不朽の名作「人を動かす」と清潔感の関係性について書いていきます。
清潔感アップが対人関係をラクにする?
何度も言ってたが「清潔感がある」とは「清潔である」とは別物である。清潔感をGoogle翻訳にかけると「Cleanliness」と出る。Cleanlinessは「清潔さ」や「きれい好き」と訳せるが「清潔感」の本質とは異なる。清潔感は当メディアの定義からすると「人を不快にさせない意識や様態」であり、Cleanlinessでは十分に表現できていない。
「おもてなし」が「O・MO・TE・NA・SHI」であるように、清潔感も「SEI・KETSU・KAN」と日本固有の単語であると考えている。この辺りは一度、外国の方にインタビューした記事でも作ってみようかと思う。
清潔感をアップさせることは手段であり目的ではないことは当メディアを通じて書かれている。目的は「対人関係を円滑に進める」ことであり、「清潔感がない人よりもトクをする」ことでもある。理想としては清潔感溢れることで人生イージーモードになっていくことだ。
「嫌われる勇気」でお馴染み、心理学の権威アルフレッド・アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言っている。現代社会において目下の悩みとしては「お金」や「健康」が主としてあるが、これらも人間関係の悩みとは関係が深い。換言すれば清潔感の向上が人間関係の悩みを解消し、お金や健康の悩みまで解決する可能性だって十二分にある。
清潔感だけあってももちろんダメ
多分に漏れず、自身もまた人間関係には悩んできた。外見の清潔感はある方と自負していたが、とにかく「自分に甘く、他人に厳しいタイプ」だったのである。(自分のことであるが)このタイプは「自分の感覚が正しい」と思い込んでいる。口癖は「普通は~」や「~が当然だろう」などで、「自身の常識=世間の常識」と考えているタイプだ。
唯一の救いはそんな性格に自身で気付けたこと。「無知の知」ならぬ「短所の知」といえる。いわゆるHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)であることも要因だったとは思うが、相手からすれば関係のないことである。
直さなければいけないと、さまざまな自己啓発本を読んできたがその中でも自身の心を打ち、いまパッと思い浮かんだのはジェリー・ミンチントン著『うまくいっている人の考え方』とカーネギー『人を動かす』である。ここからはAmazonオーディオブックで「超訳 カーネギー 人を動かす」を聴いていて、清潔感とリンクすると感じた項目を挙げていきたい。
相手の自尊心を傷つけないように清潔感を上げる
「相手の自尊心を傷つけない」
「相手の協力を得たいのであれば、相手の自尊心を満たして協力したくなるように働きかける方がうまくいく」とある。たとえば、初デートの時に鼻毛が出たままで女性と会いに行くのも相手女性からすると「自尊心を傷つけられた気持ち」になっているかも知れない。
心の中では「鼻毛が出ていて不潔」と思っていたり、友達に面白おかしく話していたりするかも知れない。しかし、清潔感の観点からすると「鼻毛が出ている結果より、鼻毛もチェックせず会いに来ている態度が許せない」のであり、本質的には自尊心を傷つけられていると言ってもよい。
清潔感とは何なのか?本当の意味を理解しよう!清潔感のある男性になるための基本知識【本質の理解】また、「人はプライドと虚栄心に動かされている」とも書かれており、人間は「論理的な生き物でなく感情的な生き物である、だから自尊心を満たす必要がある」としている。
ビジネスシーンに当てはめてみよう。清潔感のある髪型の代表格である「黒髪ツーブロック」でクライアントの重役と面談したとする。一般的には清潔感があるとしても、昔ながらの考え方をする重役にしてみれば「チャラチャラした髪型で来るとは失礼だ」と思っているかもしれない。
これも自尊心を傷つけられたパターンのひとつと言える。どちらも「その程度の準備、心構えで対面されて軽んじられた気分」になっているわけである。
「他人の粗探しをしない」
だからといって相手の粗探しをするのは得策ではない。自分ができているからと相手を指摘してもアナタにプラスをもたらすことはない。もちろんからかってもいけない。頭ごなしに「スーツがフケだらけだから買ってもらえないんだ」などとは決して言ってはならない。
「他人の欠点より先に自分の欠点を直す」とも書かれており、相手を変えてあげたいと思うのも結構だが、自分がより良い人物になることから始めることをお勧めしている。自分にメリットがあるし、相手のプライドも傷つけないから反感を買う恐れもない。まずは粛々と自身のことだけを徹底しよう。
「諭すときはさりげなく」
もしパートナーの清潔感についてなんとかしたい、変えさせたいときのヒントも書かれている。アナタがどれだけ善意の気持ちから指摘をしても相手の信念を変えるのは難しい。これが「鼻毛が出ている」など誰もが良くないと思っているポイントであれば問題ないが、髪型やファッションなど信念があるものに関しては指摘すればするほど相手は意固地になる。誰かに「アナタは間違っている」と指摘されると非難されたように感じて、より頑なな態度をとる。
だから、徹底して指摘していないかのようにさりげなく伝えなければならない。考えを押し付けるのではなく、提案して、意見を求めて相手に考えさせるのがよい。そして改善が見られた場合には徹底して褒める。ムチではなくアメだけを使えばよい。
自己啓発本を読んでいる時点でダメという意見も耳にするが、名著を読み返すとその時々で違ったヒントを与えてくれる。さらに今回は文章に記すこともできた。清潔感のことを考えながらも、「相手の自尊心を傷つけない」「相手を批判しない」「賛辞を巧みに伝える」など気を抜くとつい忘れてしまいそうな相手本位の必要性を再確認することができた。
人間は食欲や睡眠欲と同様に「自分が重要人物でありたい」欲求を持っている。清潔感を上げて接することが相手を重要人物であるとリスペクトする態度であり、相手の「自己重要感」を満たしてあげることにつながるのである。
「相手のために時間と労力を費やす」ことの大切さも書かれている。清潔感アップへの取り組みは「相手を喜ばせる何かをする」こととなり、それはプレゼントと同じくらいの価値があると言ってもよい。
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